モンマルトル Montmartre
モンマルトルは、パリ18区に位置する丘の街区です。標高130.53メートルを誇り、首都全体の最高地点にそびえるサクレ・クール寺院を戴くこの丘は、1860年にパリ拡張令によって編入されるまで、セーヌ県の独立した町でした。19世紀以降、ピカソやモディリアーニをはじめとする多くの芸術家がここに居を構え、大都市のなかにあって村のような自由な空気を今に伝えています。急勾配の路地と石段で知られるこの街では、にぎやかな観光スポットを少し外れるだけで、人々が通り過ぎながらもなかなか立ち止まることのない隠れた小さな風景に出会えます。
フランス · 22 中に隠れた小さな見どころ
中に隠れた小さな見どころ
ダリ・スペース
扉を開けると、年代順に並べられた従来の美術館とは別世界が広がります。サルバドール・ダリ自身が「シュルレアリスム、それは私だ!」と言い放ったあの宇宙へ、そのまま迷い込むような感覚です。2フロアにわたるこの展示館には、彫刻と版画を中心に、ダリ・ユニバース(Dali Universe)の300点以上のオリジナル作品が収蔵されています。欲望・時間・不条理をめぐるダリの視覚言語が、モンマルトルの丘の一角に凝縮された空間です。
出典: fr.wikipedia.org
ラ・バール騎士像
歓楽と芸術で名を馳せるこの丘に、ひときわ重みのある彫像が立っています。宗教的不寛容の犠牲者、ラ・バール騎士(Chevalier de La Barre)の像です。2001年に建立されたこの像は、画家や酒場のイメージで彩られたモンマルトルのもう一つの記憶——信仰の異端を理由とした迫害——を、再び人々の目の前に置いています。丘のにぎやかな一面だけでなく、良心と権力が衝突した歴史もここに刻まれていることを静かに伝えています。
アンリ・ランディエ展示スペース
モンマルトル、トロワ・フレール通り20番地に、小ぶりながら得難い場所があります。画家であり版画家でもあるアンリ・ランディエ(Henri Landier)のための専用展示空間、エスパス・アンリ・ランディエです。2022年末に開設されたこのスペースでは、19世紀製のルデュイユ式手動プレス機を用いて彼自身の手で刷った版画約60点を展示しています。40年にわたりモンマルトルで制作を続けてきたランディエは「ビュット最後の守護者の一人」とも称され、ベルナール・ビュッフェやジャン・ポールらとも親交がありました。70年の制作人生で4,000点以上の油彩と2,000点の版画を残した彼の世界を、火曜から土曜の午後に無料で鑑賞できます。
出典: montmartre-addict.com · arts-in-the-city.com
愛の壁
アベス広場の一角に、約40平方メートルの壁があります。612枚のヴォルヴィック溶岩琺瑯タイルを組み合わせた表面には、250の言語で「愛してる」が311通り記されています。アーティストのフレデリック・バロン、書家のクレール・ジト、壁画専門家のダニエル・ブローニュの3人が共同制作し、2000年秋に除幕されました。ここで目にするのは単なる「ラブウォール」の観光スポットではありません。バロンが近所の人や道行く人に一つひとつ「あなたの言語でどう言うの?」と尋ね集めたフィールドワークの記録です。そのどこかぎこちなくも真剣な手仕事の痕跡こそが、この壁の本当の魅力です。
出典: fr.wikipedia.org
バトー・ラヴォワール
エミール・グードー広場13番地、その番地の奥に20世紀の美術史を塗り替えた古い建物が潜んでいます——バトー・ラヴォワール(洗濯船)です。1889年からアトリエとして貸し出されるようになったこの建物は、1904年頃からピカソをはじめとする外国人芸術家、詩人、演劇人、画商たちの集う場所となりました。名前の由来には諸説あります。詩人マックス・ジャコブが「25人の入居者に水道が一本しかない」と皮肉って「洗濯船」と呼んだという説、廊下が船の甲板通路に似ているという説、そして木とガラスの構造がセーヌ川に浮かぶ洗濯用の古い木船を思わせるという説が知られています。
出典: fr.wikipedia.org
ルイ・ルノー坂の記念プレート
テルトル広場へ向かう角に、フランス自動車産業の出発点となったクリスマスイブを刻んだプレートが嵌め込まれています。 🔒 ガイド全文を解錠
出典: alamy.com · fr.wikipedia.org
マックス・ジャコブ記念プレート
ラヴィニャン通り界隈は、詩人マックス・ジャコブ(1876–1944)がモンマルトルに残した痕跡が最も濃い場所です。 🔒 ガイド全文を解錠
出典: montmartre-secret.com · fr.wikipedia.org
カディスト現代アートセンター
トロワ・フレール通り19-1番地から21番地にかけて、世界の現代アートシーンで広く知られる機関「カディスト(Kadist)」があります。 🔒 ガイド全文を解錠
出典: kadist.org · en.wikipedia.org
ファン・ゴッホ兄弟の旧居
ルピック通り54番地、白い4階建てアパルトマンの3階外壁に、フィンセント・ファン・ゴッホと兄テオが暮らしていた場所を示すプレートが掲げられています(1886–1888年)。 🔒 ガイド全文を解錠
出典: montmartrefootsteps.com · fr.wikipedia.org
モンマルトル殉教地下礼拝堂
アベス広場の裏手、イヴォンヌ=ル=タク通り11番地の地下に、カトリック世界で重要な意味を持つ場所が静かに存在しています。 🔒 ガイド全文を解錠
出典: fr.wikipedia.org
ノルヴァン通り
ノルヴァン通り(Rue Norvins)は、ナポレオン1世の伝記を著した歴史家ジャック・マルク・ド・モンブルドン・ド・ノルヴァン(1769–1854)にちなむ通りです。 🔒 ガイド全文を解錠
出典: fr.wikipedia.org
モンマルトル貯水池
サクレ・クール聖堂の工事が始まった1889年、そのすぐそばでも別の工事が完成を迎えていました——モンマルトル貯水池です。 🔒 ガイド全文を解錠
出典: fr.wikipedia.org
モンマルトル聖ジャン教会
アベス通り19番地に入ると、赤レンガ積みに見える外壁の教会が目に入ります——しかし実際に荷重を担うのは壁の中に隠れた鉄筋コンクリートです。 🔒 ガイド全文を解錠
出典: fr.wikipedia.org
ムーラン・ド・ラ・ギャレット
「ムーラン・ド・ラ・ギャレット」という名は、丘の上に今も残る2基の風車——ブリュット・フィンとラデ——と、かつてその間に存在した野外舞踏場を合わせて指しています。 🔒 ガイド全文を解錠
出典: fr.wikipedia.org
サン・ピエール揚水場
サン・ピエール広場のそば、観光客の流れから少し離れた一角に、モンマルトルの丘全体の水道を支える控えめな産業建築があります——サン・ピエール揚水場(ユジーヌ・ド・ルヴァージュ・サン=… 🔒 ガイド全文を解錠
出典: eaudeparis.fr · usinenouvelle.com
聖ドニ殉教地下墓所
モンマルトルの中腹、イヴォンヌ=ル=タク通り11番地に、ほとんどの観光客が知らない地下墓所があります。 🔒 ガイド全文を解錠
出典: fr.wikipedia.org
ギマール設計のアベス駅入口
アベス駅はモンマルトルで最も深い地下鉄駅で、ホームは地下36メートルに位置し、現在もパリ市内(イントラミュロス)最深の駅です。 🔒 ガイド全文を解錠
出典: fr.wikipedia.org
モンマルトル聖ピエール教会
モンマルトルの丘を登りきると、訪問者の目はサクレ・クール聖堂に向きがちです——しかし、そのすぐ隣に建つモンマルトル聖ピエール教会こそ、パリ現存最古の教会です。 🔒 ガイド全文を解錠
出典: fr.wikipedia.org
アベス劇場
アベス通り31番地のアベス劇場(Théâtre des Abbesses)は、モンマルトル山麓で市が全額出資した唯一の現代演劇劇場であり、1996年からパリ市立劇場(テアトル・ド・… 🔒 ガイド全文を解錠
出典: fr.wikipedia.org
ロシュシュアール大通りのライブ会場群
ロシュシュアール大通りには、パリで最も歴史ある音楽ライブ会場が集まっています——ラ・シガール、エリゼ・モンマルトル、ル・トリアノン、ブール・ノワール。 🔒 ガイド全文を解錠
出典: fr.wikipedia.org
アトリエ劇場
シャルル・デュラン広場に面するアトリエ劇場は、パリに現存する19世紀劇場のうち、今も本格的に上演を続けている数少ない一軒です。 🔒 ガイド全文を解錠
出典: fr.wikipedia.org
パタシュー・カバレー
1950〜60年代、パタシュー・カバレー(Cabaret de Patachou)はパリで最も名高いカバレーでした。 🔒 ガイド全文を解錠
出典: fr.wikipedia.org
よくある質問
モンマルトルの中で見逃せない小さな見どころは?
ダリ・スペース, ラ・バール騎士像, アンリ・ランディエ展示スペース など全 22 か所。すべて出典つき・多言語ガイドで、現地で読んで聴けます。
モンマルトルのガイドは有料ですか?
最初の 5 か所は無料、残り 17 か所は一度の購入で解錠できます(サブスクではありません)。